大規模な組織化で急成長を遂げる
御社の特徴である多角経営について、それぞれの売上規模について教えてください
浅野:とび・土工が主で全体の半分ほどを占めています。次いでリニューアル工事と足場のレンタルがそれぞれ2割ずつ、残る1割がそのほかの事業という構成です。
業界内でも急成長を誇る御社ですが、成長の要因について教えてください
浅野:大きな要因は、M&A(企業合併)も含めた大規模な鳶職のネットワークを構築できたことです。
「鳶に始まり鳶に終わる」と言われるように、足場鳶は建設工事に不可欠な存在であり、事業者の数も非常に多いです。
しかし、ほとんどの建設業者は小規模な専門工事業者です。
現在、当社はグループ会社を含めて1,400社の協力会社とおつきあいがあります。
このネットワークを構築できたことが、急成長につながりました。
また、創業後の早い段階で自社で足場を持つようにしたことも、成長要因の一つです。
自社で足場を持つことは経営上のリスクもありますが、リスクを覚悟して事業を進めたことが大きな発展につながったと思います。
事業に投資する上でどんな点を意識していますか
浅野:当然ですが、その投資をすることで事業が効率的になるかどうかを意識しています。
自社で足場を持ったのも、レンタルで借り続けるより自社で買ったほうが利益が出るという判断です。
そして、購入する資材が増えればその管理でITが必要になるので、今度はITに投資をする、という流れです。
自社の事業展開を効率的に行う上で、何が必要で、何を優先すべきかを判断して事業投資を行っています。
急成長しているなかで、組織がバラバラにならないよう意識している点などはありますか?
浅野:ミドル層にマネジメントを任せるようにしていたり、社員全員で日報を出すようにしています。
また、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー:企業のなすべきことやあるべき姿を定義したもの)を策定したり、社員研修に力を入れたりしています。
さまざまな背景を持つ人たちが集まっているので、方向性がバラバラにならないような仕組みを整えるようにしています。
揺るぎない想いが事業活動の基盤
鳶職の社会的地位向上を目指すという目標を掲げていますが、
この目標を掲げた経緯を教えてください
浅野:私も、もともとは鳶職の職人として現場で仕事をしていまsした。
だからこそ分かりますが、職人の仕事は、その内容に対して給与が見合わないケースも多くあります。
一方で職人不足が社会問題になっていますが、待遇が見合わなければ人が集まらないのは当然のことです。
『現場で汗をかいている人の給与が安くていいわけがない』
そんな想いから、鳶職の社会的地位を向上させ、仕事に見合った報酬が支払われる世の中にし、建設業界が持続的に発展できるように尽力しています。
職長、番頭、本部スタッフなど、可能性は多岐にわたる
御社で求める人物像について教えてください
浅野:入社してわかる面も多いので、募集時点ではあまり人物像を絞り込んではいないです。
ただ、向上心は大事にしていますね。
経験者であっても会社が変われば仕事の進め方も変わりますので、新しい環境でも貪欲に学んでいこうとする方は当社に向いていると思います。
また、一人親方から会社員になりたい方も歓迎しています。
一人親方として働いている方のなかには、将来に不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。
当社であれば、過去のご経験を活かして会社員として安定して働くことができますし、多様なキャリアを描くことができます。
そういった点に魅力を感じて頂ければと思っています。
未経験の方も歓迎ということですが、御社ではどんなキャリアを作ることができますか?
浅野:まずは職人からスタートしてもらいながら、数年後に職長を目指すこともできますし、番頭のように営業として活躍することもできます。
本部のスタッフになるケースもありますし、施工管理になるケースもあり、幅広い選択肢があります。
そういった選択肢を見える化して提示し、将来のキャリアプランを作って頂いています。
また、「エルラインアカデミー」というオンラインで技術を学べる動画コンテンツを用意していて、いつでもどこでも勉強できるようにしています。
給与制度についてもお伺いできますか?
浅野:当社の給与制度は等級と目標達成度に分かれています。
等級は基本給に繋がる部分で、技術に応じて設定されています。先ほど説明したように、現場での経験や自主学習を通じて技術が上がれば等級も上がっていきます。
目標達成度は、半期ごとに個々に目標を立ててもらい、その成果に応じて評価が変わる仕組みです。
自己申告制になっていますので、高い目標を立てて達成すればそれだけ評価に反映されるようになっています。
業界の後継者不足にもアプローチ
今後の展望について教えてください
浅野:遠くないうちに、株式上場を目指しています。上場すれば資金が集まりますので、その資金をもとに、専門工事会社のM&Aを行って企業規模を拡大します。
企業規模を拡大することができれば、交渉力を持つことができるようになります。
結果、職人の待遇を上げることができるようになります。
また、後継者のいない会社のM&Aも積極的に行い、社員のなかから経営者になりたい人材を募りたいと思っています。
建設業では後継者がいないことで倒産するケースも多くあります。
一方で、経営者としての勉強を経ずに独立して倒産してしまうケースも少なくないです。
そこで、経営者になりたい人材を募集し、経営者として必要な知識を習得した上で、グループ会社の経営者になってもらいます。
そういう意味では、将来的に独立したいという方も歓迎です。
これらの取り組みを通して、建設業の未来をリードし、業界の発展に貢献していきたいです。